[第2部/第02回]チーム・ネットリンチとの闘い

■暗中模索の中で②

〜攻撃をやめさせるという難儀な手続き〜

 警察はだめ、ツイッター社もだめ。根本的な解決を図るには止まらない個人攻撃(誹謗中傷、個人情報晒し)を止めるしかなかった。しかし、方法が見つからなかった。

 

 ここで少し物事を整理しておこう。

当時考えた止め方としては

①刑事事件として相手を取り締まり、止める

②当該SNS会社が相手をBAN処置して止める

③民事事件として勝って、止める

 

であった。この方針で実際に動いた結果、①警察と②ツイッターで早くも頓挫してしまった。しかも③に至っては資金がなく、事実上不可能だった。

 さて、刑事事件と民事事件の違いについての、素人としての捉え方を話していくと刑事事件の場合、相手に与える社会的ダメージはデカイ。

 ガサガサなどは日頃『逮捕上等』などとうそぶいているが、実は決してそんな甘いものではない。ガサガサは既に逮捕経験が相当な自信になっているようだが、逮捕されれば身柄送検され、最高21日間の勾留と8時間に渡る取り調べは相当な負担である。その一方自宅で何が行われているかと言えば家宅捜索と証拠となるものの差し押さえである。

 その最高21日間の勾留・取り調べ後、さらに検察により起訴されれば、ほとんど有罪確定である。そうした裁判になれば、もし保釈されなければ、もしくは保釈請求が認められても保釈金をつめなければ拘置所生活が続く。そして無罪判決がでない限り、判決は罰金、実刑、執行猶予付有罪判決を食らうパターンだと記憶している。

 刑事事件化するという事は、インターネットで悪口を喋り続けたり、匿名をいい事に書きたい放題書いていると、『ある日、ある朝』警察官がやって来る、そういう展開になりうるという事なのだ。そういう流れに巻き込まれる事に対して、そうしたそのリスクとダメージについてチーム・ネットリンチのような輩たちは子供同様、何も考えていない。現に絵描き屋は『大丈夫だよ、警察なんて来やしない』と何の根拠もなくメンバーに話しかけていたらしい。政治をもっともらしく語りながら実はインターネット犯罪に手を染める者たちは、実際の人生はうまくいかず、生活は転落仕切っていたりというケースが多い気がしてならない。『彼はマトモな仕事に就いてリア充になった』というネットフレーズはそれを象徴しているのだろう。マトモな社会生活をしているものの多くはアカウントを作って『はい、どーもガサガサです』などと配信したりネット上で議論などしないものだ。私も含めて、そういう意味でネットで意見を主張するなど、生活がうまくいってない証なのかも知れない。ネットにハマっていて、順調な人生、充実した生活を継続している人がいたら教えてほしい。

 

 閑話休題。民事事件について私の素人として記憶している事について話すと、民事裁判に持ち込む場合、原則として訴えてをおこす者(原告)が主体的に動いて行く話であると考えている。リアルな生活上の訴訟なら相手方を特定できている場合が多々あると思うが(例えば、隣の家の騒音が激しいという被害に対する損害の賠償を求める民事裁判)、インターネットの場合、相手方がどこの誰だかを特定していくところから始めなければならない。だから、ガサガサが配信上で『北部の野郎を訴えたい方は、既にわたしが●●さんから北部の住所と本名を入手してます。裁判を起こしたい人は私に連絡していただければ、教えます』などと馬鹿まるだしで話しているが、そんな事では相手方を特定したことにはならない。裁判を起こせる特定とは、例えばSNSの会社に当該SNS会社の基準に照らし合わせて攻撃アカウントが不法行為に相当する内容の書き込みや配信をしている証拠を提示しながら攻撃者のIPアドレスの開示を求め、開示されればそれを手がかりにプロバイダに契約者開示をお願いしていくという手続きを取らなければならない。それに費やす時間と労力とお金は相当なものであろう。

 被害を受けている被害者がさらなる労苦を背負わねばならず、その間、加害者は、好き放題の書き込み・配信をやり続けているのだ。

例えば壁打ちの『オイ…北部。お前のやっていることはドロボーだ。犯罪だ。窃盗犯』のようにインチキの『正義』を振りかざした不法行為の連続は典型的な例である。

 私はそうした被害者の境遇を不条理に感じるし、それはインターネットサービスを提供しているSNS企業の怠慢であると思う。